ふと思い出したお客様。

 

 

まだアシスタントとして美容室勤務していた頃、

20代？30代？のとあるお客様が定期的に来店されてました。

 

 

お子さんもいて、いつも笑ってる優しいママさん。

 

 

 

 

 

美容師になって数年の私からしたら、

 

 

「話を聴いてくれる優しいお客様だ〜😭」

 

 

人見知りでもあった若手美容師はそんな事思っていました。

 

 

 

 

 

 

その方は数年通っていてくれていた方でしたが、

しばらく見ない日々が続きました。

 

 

「最近見ないね」

 

 

と思っていたら、終礼か朝礼で

 

 

 

「〇〇様がいらしゃるけど、

病気で余命があると予約の際言われました」

 

 

「最期にキレイにしたいから、

ここに来たいと言ってくれました」

 

 

 

こんな話がみんなの前であり、

 

 

「だから来れなかったのか…」

 

 

と思う反面、

話を聴いてもピンと来ないので

自分の周りで起こってる事とは思っていませんでした。

 

 

 

 

 

当日、予約の時間までいつも通りに

他のお客様をお迎えしていました。

 

 

いざ予約時間になり、そのお客様はいらっしゃいました。

 

 

初めて見る旦那さんと一緒に来店され、

旦那さんは後で迎えに来るという事で店を後にしました。

 

 

 

 

話を聴いた時はピンときていなかったのが

いざお客様を見たらとっても痩せている。

 

 

なんと声をかけたらいいのか、

たぶん顔が引きつっていたと思います。

 

 

 

 

シャンプーしたり、たしかカラーもしたかな？

マッサージしたり、乾かしたり、

いつも通りに時間を過ごし

私もいつも通り関わらせていただきました。

 

 

 

 

 

1日が終わり終礼でオーナーは

そのお客様の事を話し始めました。

 

 

その方を初来店の頃から知ってるスタッフ達は私も含め

涙が止まりません。

 

 

 

あれでよかったのか、

もっと何かできたかもしれないし、

答えがあるわけではないけれど、

話ながら涙していました。

 

 

 

 

 

今思えば、

 

どんなに話し合ってもお客様がお帰りになる際は

いつもと変わらない笑顔。

 

 

それが答えなんだと思います。

 

 

 

特別な事をしない。

 

それで良かったんだと思います。

 

 

 

 

 

その後訃報が入ったかどうかは記憶にありませんが、

20年近く前の話なのになぜか急に思い出されました。

 

 

 

「最後にここに行きたい」

 

 

 

と思ってもらえた事、

それを叶える事ができた事、

当時の私にはかけがえのない経験でした。

 

 

 

 

 

 

当時の勤務先はだいぶ前に辞めているのに

なぜか急にその方を思い出しました。

 

 

 

忘れ去ってしまう事はないけれど、

なぜか書き留めておきたくて思い出話を書きました。

 

 

 

 

辞めるまでその方の話が出てくる事はなかったけど不思議。

 

 

なぜ今なのか。

 

 

 

きっと何か意味があるのかなと思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

kikiはお客様が病気や障害を持つ様になっても

その人が変わる事はないと思ってるので

今のその状態で新しい生活ができる事を応援します。

 

 

 

特別扱いではなく、

できない事は手伝うし、

できる事はご自分でやる。

 

 

自宅に篭りっきりにならないように

外との関わりをなくさない様にしていきたい。

 

 

 

 

 

これを理美容室としてできる事でやっていきたいと思います。

 

 

なので、

 

 

「店に行けないから」

 

 

ではなく

 

 

「どうしたら行けるか」

 

 

を考えたい。

 

 

 

 

結果それが皆さんの生き方が楽しくなれる様にと思いながら

 

kikiは皆さんをお待ちしています。